2009年01月21日

 フランス語脳になるために(4)



 先に、フランス語脳になるために(1)(2)(3)をお読みになることをお勧めいたします。


英語脳を初めて自覚した瞬間


 自分が英語で思考しているという事実に、初めてはっきりと気がついたのは、ある晩、半身浴をしながら、A DOG OF FLANDERS を読んでいるときでした。

 センター試験レベルのやさしい英語で書かれた本でしたので、まったくストレスを感じることなく、かなりの高速で読み進めていました。

 そうやって、どれくらい時間が経ったことでしょう。

 ぬるま湯とはいえ、すでに顔や二の腕からは、玉のような汗が吹き出していましたし、長い時間、せまい浴槽に同じ格好で座っていたため、足腰にも痛みが出ていましたので、かれこれ1時間は没頭していたでしょう。

 そんなときです。

 ああ、熱い、もうそろそろ出なきゃ、いま何時だろう、えっ、もう10時なの、まずい、もう読むのやめなきゃ・・・。

 ページから顔を上げ、壁にかかった時計で時間を確認するまでの、わずか数秒のあいだに、わたしは、そんな取りとめのないことを、頭の中で考えました。

 そして、次の瞬間、気づいたのです。

 たったいま頭に浮かんだ、これら一連の思考が、まったく無意識のうちに、すべて英語でなされていた、ということに。

Huu ... it's too hot, it's time to get out, well... what time is it now?
My god! It's ten o'clock, too bad. I have to stop reading.

 それだけでなく、本を閉じ、浴槽から出た後も、この脳のトランス状態はしばらく続いていました。

 シャンプーをしながら、あるいは、身体を洗いながら、頭の中で浮かんでは消えていく、とりとめのない思考が、すべて英語でなされているのです。

 本来なら、英語の本はもう読み終えたのだから、脳は、すぐにでも日本語モードに戻ってもよいはずなのに、切り替えがうまく行かないのか、これまでフル回転していた余力そのままに、英語モードのまま突っ走っているようなのです。 

 英語が次から次へ、あふれ出てくる感覚です。

Why am I still thinking in English? Why?
I don't know why, but I can't stop it.

 しかし、残念なことに、このような英語脳は、しだいに薄れていき、お風呂を出て、ドライヤーで髪を乾かすころには、すっかり元の日本語脳に戻っていました。

 おそらく、留学などで、この一過性のトランス状態が、日常的に続くことによって、人は英語が話せるようになっていくのだろうと、その時しみじみ思いました。

 さて、わたしが、これまで、フランス語脳や英語脳という比喩を用いて表現してきた、ある種の感覚は、みなさんにうまく伝えることができたでしょうか。

 感覚を言葉で説明するのは、本当にもどかしいです。

 とにかく、わたしは、フランス語においても、このような、思考じたいがフランス語になる一種のトランス状態、すなわち、フランス語脳になりたいと、切に願っているのです。

 たとえ、それが英語と同じように、一過性のものであったとしても。

 では、いったいどうしたら、フランス語脳は手に入るのでしょうか?


フランス語脳になるために(1)
フランス語脳になるために(2)
フランス語脳になるために(3)
フランス語脳になるために(5)










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