2009年10月18日

 フランス語の学習法
 精読アプローチと多読アプローチ



 これまでのフランス語学習をふり返ってみると、わたしは、精読する場合と、多読する場合とで、自然に、意識や学習法を、使い分けてきたように思います。

 まず、フランス語を精読する場合の意識や学習法には、次のような特徴が挙げられます。

精読アプローチ

1. 一文一文を、構文上も文法上も、きっちり分析しようという意識を前面に出す。

2. 辞書は徹底的に引き倒す。

3. 言葉の「意味」だけでなく、「用法」まで立ち入って調べる。

4. 用法や例文が豊富な「電子辞書」の利用が中心となる。

5. ちょっとでも文法上の疑問が浮かんだら、その都度、ケータイなどで調べる。

6. 計画を立てたり、ノルマを課したりする。

7. ひとつの教材を、短期間に、集中して、しつこく、何度もくり返す。

8. 今日はここまでやった、ここまで理解したという達成感や、いついつまでに合格したいという目標を、モティベーションにする。

9. 全体として、「勉強・努力・義務」といった色彩を持たせるようにする。


 逆に、フランス語を多読する場合の意識や学習法には、次のような特徴が挙げられます。

多読アプローチ

1. 一文一文の細かい解釈より、全体の内容をつかもうという意識を前面に出す。

2. 辞書はなるべく引かずに、文脈から意味を類推しようとする。

3. 辞書を引くとしても、言葉の「意味」を調べるだけでよしとする。

4. 語義だけの「ポケット辞書」の利用が中心になる。

5. 文法上・構文上の疑問があっても、気にせず進む。

6. 計画を立てたり、ノルマを課したりしないようにする。

7. くり返さない、途中でやめる、いろいろなものに手を出すを、よしとする。

8. 楽しい、おもしろい、なるほど、がモティベーションとなるように仕向ける。

9. 全体として、「趣味・娯楽・実用」といった色彩を持たせるようにする。


 これら2つのアプローチには、それぞれ、向き、不向きがあります。

 たとえば、参考書で文法や構文を体系的に学ぶ際や、仏検対策問題集を解く際などには、たとえ時間がかかるとしても、精読アプローチが適しています。

 適している、というより、そうしなければいけないのだと思います。

 参考書や問題集は、徹底的に辞書を引き、疑問点は調べ上げ、何度も何度もくり返すべきなのでしょう。

 わたしも、1冊の参考書・問題集を精読アプローチで徹底的にくり返した後に、自分が明らかに成長しているのを実感する、という何ともいえずうれしい経験を、何度もしたことがあります。

 精読アプローチの効果は、絶大です。

 他方、フランス語ニュースやペーパーバックを読む時などは、多読アプローチが適しています。

 これも、適している、というより、むしろ、そうすべきなのでしょう。

 フランス語の新聞を読むのに、精読アプローチなど採っていたら、1日に読める記事はごく限られたものになってしまいます。

 ペーパーバックを読むのに、知らない単語が出てくるたびに辞書を引いたり、構文上の疑問点が浮かぶたびにケータイで調べたりしていたら、とても読書を楽しめません。
 
 多読の際には、読み捨てる潔さが必要です。

 実は、わたしは、この切り替えが非常に苦手です。

 受験生のころの、英語を精読する癖が抜けないせいなのか、フランス語のペーパーバックを読む際にも、ついつい、一文一文をきっちり分析しながら読んでしまい、知らない単語や文法上の疑問点にぶつかると、調べたくてむずむずしてしまいます。

 ですが、そうやって、いちいち調べてしまった際に、最後まで読み通せたためしがありません。

 なにしろ、量が多いですから、きっちりやろうとすると、結局、負担が大きくなり、途中で精読アプローチをやめるか、あるいは、本を読むことじたいをやめる羽目になってしまうのです。

 そういった度重なる失敗から、「多読をするときは多読アプローチで臨み、精読アプローチは捨てよう」という教訓めいたものを得たのでした。

 そもそも、なぜ、わたしが多読すべきものも、精読してしまうかというと、心のどこかに、知らない単語や疑問点をそのままに読み進めたら、フランス語の力がつかないのではないか、という恐れがあるからです。

 さぼっているような、罪悪感にも似た気持ちです。

 しかし、その一方で、たとえ質を犠牲にしたとしても、量・スピード重視の多読アプローチからしか得られないものがあるということも、同時にわたしは知っています。

 それは、フランス語に対する慣れ、文法・構文の(理解ではなく)定着、語彙力の増強、フランス語回路の開通、本の中味そのものを楽しむという本来の効用などです。

 辞書を一度も引かずに、途中、分からないことだらけだったはずなのに、それでも、なんとか1冊のペーパーバックを最後まで読み通してみると、問題集を何度もくり返したのとは違う何かが、身についているのを、たしかに実感するのです。

 それは、大量のフランス語を前にしてもひるまない自信であったり、分からなくても先へ先へと読み進める馬力であったり、自分はいずれフランス語が読めるようになるという確信であったり、とにかく、そういった漠然とした何かです。
 
 これらは、質を重視する精読アプローチからは、なかなか得にくい、多読アプローチならではの効用です。

 結局、精読すべきときは精読アプローチ、多読すべきときは多読アプローチに徹する、というように、目的に応じて、両者をバランスよく使い分けていくことが、フランス語学習においては、大切なのでしょう。


精読アプローチの具体例

仏検3・4級受験時の「新リュミエール」

   「新・リュミエール」を中心にした文法学習 
   仏検直前3ヶ月間の学習内容

仏検2級受験時の「完全予想仏検2級」

   「完全予想仏検2級」103日目
   「完全予想仏検2級」の進捗状況

仏検準1級受験時の「フランス語名詞化辞典」
   
   速いペースで何度も回す
   フランス語の例文暗記(3周目)32日目

多読アプローチの具体例

グレイディッド・リーダー

   Cinq Semaines En Ballon

児童書・絵本

   Pierrot Ou Les Secrets De La Nuit
   児童書からペーパーバックへ

ペーパーバック・時事ニュース

   L'Etranger
   フランス語ニュースが読めるようになった日


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