2007年03月11日

 フランス語の発音を学び始める(1)



 フランス語を始めるきっかけとなった、パリ旅行に出かける前の話です。

 当時、わたしは、3ヵ月後に控えたフランス旅行の準備として購入した「Talk Now! はじめてのフランス語」に、すっかり夢中になっていました。

 なぜ、そこまで、わたしが、このフランス語学習ソフトに入れ込んでしまったかというと、原因は、このソフトの主要部分を占めているフランス語ゲームにありました。

 ところで、このフランス語ゲーム、ゲームといっても、いたってシンプルなものばかりです。

 たとえば、カジノを思わせるテーブルの向こう側にディーラーが立っていて、数字が記されたトランプを、目の前に1枚ずつ並べていきます。

 カードは、最後まで並べ終えられると、すべて裏返しにされてしまいます。


 
アンフォ Volume1―フランス語でニュースを読む(1)アンフォ Volume1―フランス語でニュースを読む (1)



 すると、ディーラーが、いざ勝負、という感じで、数字をひとつだけ、フランス語で読み上げます。

 プレイヤーであるわたしは、ディーラが読み上げたフランス語の音声のみをたよりに、目の前の、裏返しにされたカードの中から、その数字が書かれた1枚を選び出さなければならないのです。

 いわば、神経衰弱とフランス語の聞き取りが、組み合わされたゲームです。

 こうした、シンプルではありますが、しかし、勝ち負けのスリルに加え、フランス語が聞き取れる喜び、得点がたまる楽しみ、金賞をとりたいという目標、こういった複数の要素が渾然一体となったゲームが、わたしをとりこにしたのです。

 まさに、製作者の思うつぼ、見事なはまりぐあいでした。

 しかし、ここからが、問題でした。


 
ステキ!なフランス語ステキ!なフランス語



 実は、夢中になりながらも、わたしは、すぐに、自分がフランス語を耳では聞き取ることができても、自分の口ではうまく発音できない、という壁にぶつかっているのを、認めざるをえませんでした。

 たとえば、数字のゲームをしていて、1から20までのフランス語が、聞き分けられるようになったとします。

 わたしも、数字のゲームで満点をとることじたいは、届いたその日のうちに達成できました。

 いま問題にしている発音にしても、耳で聞いた直後に、「オウム返し」をしているあいだは、まだよかったのです。

 むしろ、関心は、自分がそれまで少しも知らなかったフランス語が、どんどん聞き取れるようになっていくことの方へ向いていました。


 
どこでも学べるシリーズすぐに話せるフランス語基礎Aどこでも学べるシリーズすぐに話せるフランス語基礎A



 ところが、いったんパソコンから離れ、たとえば、半身浴をしているときなどに、そうだ、きょう覚えた数字を、せっかくだからフランス語で言ってみよう、と思い立ったとします。

 すると、「オウム返し」ならどうにかできたフランス語の発音が、とたんに、あやふやであることを思い知らされるのです。

 といっても、それは、決して、わたしが、1から20までのフランス語を、まだ完全には覚えきれていない、という意味ではありません。

 順番どおりに、1から20までのフランス語を、頭の中で再生することは問題なくできるのです。

 そうではなくて、途中で、あれ、20は、ヴァンだっけ、ヴェンだっけ、ヴォンだっけと、自分のフランス語の発音に、急に自信が持てなくなってしまう、という意味なのです。

 耳だけでフランス語を学ぶ限界でした。


 
フランス語統辞法フランス語統辞法



 これは、大きな問題でした。

 というのは、わたしの場合、中学高校と英語を学習してきたなかで、まず発音とアクセントを辞書で確認してからでないと、決して脳に新しい英単語をインプットしてはいけない、という妙な習慣が、骨身に染み込んでいたからです。

 そのため、発音があやふやなままのフランス語が入ってこようようとすると、自分の脳が、いったんインプットしてしまうと、あとから修正するのは難しいぞ、という指令を出して、奥への侵入を拒絶してしまうのです。

 これには、困りました。


 
フランス語でサバイバルフランス語でサバイバル!



 もちろん、フランス語は、英語とちがって、ひとつひとつアクセントを確認する必要はありませんし、発音も規則性が強いので、そこまで神経質にならなくてもよいのでしょう。

 しかし、33歳ともなると、もう、それまでに身についてしまった習慣は、変えろといわれても、そう簡単に変えられるものではありません。

 なにせ、「フランス語名詞化辞典」で勉強している現在でも、電子辞書で真っ先に確認するのは発音記号で、しかも、その発音記号を単語の下に書き写すところまでしないと、気が済まないいくらいなのです。

 これは、「完全予想仏検2級」を4ヶ月で3回くり返したときも、「仏検準1級・2級必須単語集」の例文を1年かけて暗記したときも、同じでした。

 また、あると便利だと分かっている携帯用の小型フランス語辞書も、発音記号がないと理由だけで、1冊も持っていません。

 ちょっと病的なこだわりようですが、げに習慣とは、おそろしいものです。

 そういうわけで、「Talk Now! はじめてのフランス語」に夢中になっていた当時のわたしは、聞き取れるようになる新規のフランス語の数がどんどん増えていく一方で、脳から入場を拒否され入り口あたりでうろうろしている不法滞在のフランス語の数もどんどん増えていくという、なんとも悩ましい状態にあったのです。


 
はてな君とフランス語でおしゃべり―コミュニケーションのためのメソッドはてな君とフランス語でおしゃべり―コミュニケーションのためのメソッド



 そんななか、わたしは、自分の内部で、2つの声が対立するのを感じ始めていました。

 すなわち、「ここまでかじったなら、発音の学習だけでも真面目にやっておいた方がいいんじゃないの?」と前へ進もうとする意欲的な自分の声と、「いやいや、たんなる7泊8日の旅行のために、何もそこまですることはないよ」と現状維持を求める冷めた自分の声です。

 そうはいっても、学生時代に、ドイツ語、ロシア語、中国語と次々に手を出して、ことごとく挫折するという前科がありましたから、そうは簡単に、意欲的な自分の声を信用する気にはなれないでいたのです。


 
基礎から学ぶ語学シリーズ「フランス語」基礎から学ぶ語学シリーズ



 ところで、もしかしたら、すでに「Talk Now! はじめてのフランス語」をお持ちの方の中には、このソフトには、ちゃんと発音学習機能がついているじゃないか、と疑問にお思いになった方もいらっしゃるかも知れません。

 そうなのです。たしかに、「Talk Now! はじめてのフランス語」には、お手本のあとに、自分の発音を録音して、両者を聴き比べることができるという、とても便利な発音学習機能がついています。

 もちろん、わたしも、わざわざ相棒と有楽町のビックカメラまで出向き、Talk Now! だけのためにマイク付きヘッドフォンを購入し、この発音学習機能も大いに利用したのです。

 しかし、結局は、この機能を用いても、「耳だけで発音を覚える」という限界に変わりはなく、わたしが感じるもどかしさの解消には結びつかなかったのです。


 
フランス語文法の単位フランス語文法の単位



 やはり、成人してから学ぶ外国語では、発音記号による目からの客観的な音声情報と、耳から入る生の音声情報との刷り合わせが、どうしても必要です。

 いずれにせよ、岐路に立たされていたわたしも、最終的には、前へ進もうという、内なる声に素直に従い、アマゾンで「CDとイラストで楽しく学ぶ やさしいフランス語の発音」という格好の教材を見つけると、届いたその日から、フランス語の発音の学習をスタートさせたのです。

 すでにパリ旅行までは、残り3ヶ月を切っていました。


 やさしいフランス語の発音―CDとイラストで楽しく学ぶ




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