2007年07月09日

 フランス語「速読」と「聞き取り」の関係



 フランス語の独学を始める以前、30歳になったばかりのわたしは、当時、英語学習に没頭するなかで、こんな経験をしたことがありました。

 それは、読むスピードが上がるにつれて、それに正比例するように、特に何もしなくても、リスニングの力が、自然にどんどん向上していく、という経験です。

 当時のわたしは、受験勉強の遺産で、おそらく7〜8千語程度はあったであろう語彙力を、各種の指標で1万語以上の判定が出る水準になるまで、語彙力増強にいそしんでいまいた。

 その結果、あこがれのペーパーバックや英字新聞が、ようやく、そこそこ読めるようになってきた、という実感を持ち始めていました。

 なんとか洋書が読めるようになったうれしさから、ペーパーバックやら、タイムやら、BBCのニュース記事など、手当たり次第に濫読しました。

 そして、濫読を続けるうち、まず最初に感じたのが、自分がだんだん、構文の解読を意識しなくなってきた、ということでした。



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 というのは、それまでのわたしは、常に、修飾・被修飾の山の中から、主語・述語の基本ラインを丹念に拾い上げるという、構文の解読を意識した、受験生さながらの読み方を続けていたからです。

 それが、辞書も使わない手当たり次第の濫読を続けるうちに、いつのまにか、わたしの意識の中心が、構文の解読から、書かれている内容のすくい上げ、情報収集に転換していくのを、はっきりと感じるようになったのです。

 この転換は、初期においては、自分がいい加減な読み方をするようになったことに対する反省とともに、実感されました。

 しかし、あるとき、ふと、日本語の新聞を読んでいるときにも、主語・述語の対応など、まるで意識していないのだから、むしろ、この状態は、成長の証なのではないだろうか、と思うようになったのです。
 
 つまり、内容さえ取れればそれでよいのではないか、情報さえ拾えればそれでよいではないか、と考え方が徐々に変わってきたのです。

 そして、この意識の転換によって、わたしの読むスピードは、飛躍的に向上しました。

 とはいえ、それまでのように、記事を最初から最後まで読むことはなくなり、知りたいことだけを知ったらあとは読まない、不必要なところは飛ばし読みをするなど、かなりいい加減な読解スタイルになってしまいましたが。




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 このような読解スタイルに対しては、未だに、心のどこかで、これでいいのだろうか、という疑問を引きずっていますが、いずれにせよ、読むスピードが確実に向上したことだけは、確かです。

 そして、読むスピードが向上した結果、当然ながら、読む量も、格段に増えました。

 また、質的にも、ロアル・ダールなどの児童書やグレイディッドリーダーを卒業して、ポール・オースターやJ・Mクッツエーなど、自分が本当に読みたいと思う本を読むようになりました。

 そして、さらなる意外な副産物が、冒頭で述べた、リスニング力の向上でした。



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 30歳から再開した英語学習の柱は、語彙力増強にありましたが、それと並行して、リスニング力の向上も、目標のひとつに掲げていました。

 具体的には、VOAの special englishリオに入れて、毎日、電車の行き帰りで聞く、という非常にシンプルな学習を続けたのです。

 なぜ、VOAの special english かと言うと、外国語学習者向けに、ゆっくりしたスピードで読んでくれるうえに、スクリプト付きだったからです。

 しかし、イラクや中東のニュースばかりで、ambush だの suicide bombing だのばかりの記事に嫌気がさしてしまい、途中から、NHKのラジオ国際放送に変更しました。

 こちらは、読まれるスピードは通常で、スクリプトもありませんでしたが、日本の国内ニュースが多いので、少なくとも、聞いていて興味深かったからです。

 そうやって、NHKラジオ国際放送を、毎日、聞き続けてはいましたが、最初のころは、単語やフレーズがいくつか拾えるだけで、なかなか「速さ」についていくことができずにいました。

 ところが、「構文を意識しない読み方」を容認するようになったころから、リスニングの方でも、急激な変化があったのです。

 とくに、厚めのペーパーバックを何冊か読み終え、読むスピードが向上するのを実感し始めたころから、聞きとりの方も、かなりよくなっていくのが、はっきりと分かるようになりました。



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 具体的には、1回の放送にはたくさんの記事が詰まっているのですが、そのうち、まるまる聞き取れる記事の量が、どんどん増えていくのでした。

 きょうは3つ聞き取れた、きょうは5つ聞き取れた、と内容が理解できる記事の数が、日増しに増えていくのです。

 なお、まるまる聞き取れるというのは、話されるほぼすべての文章が聞き取れ、不明確な箇所がほとんどない、という状態です。

 最盛期には、電車の中で放送を聞きながら、そのとき聞き取れなかった単語を耳で覚えておいて、家に帰ってから、その単語を辞書で調べる、ということが出来るようにまでなっていました。

 つまり、聞き取れない箇所が、それほど少なくなっていたのです。

 感覚的には、放送の8割、9割は、理解できていたように思います。

 もしかしたら、自分はこのままいけば、聞き取りがちゃんと出来るようになるかもしれない、と夢がぐんぐん広がっていったのを覚えています。

 おそらく、構文を意識せず、目に入る順に理解していく読み方に慣れていくにつれ、耳から入る情報も、聞こえる順に理解していくことが、自然に出来るようになったのではないかと、自分では分析しています。



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 こうして、わたしは、「速く読めるようになれば、特に何もしなくても、自然に聞き取れるようになる」という経験則を、30歳から再開した英語学習の結果から得たのでした。

 これは、逆に言うと、「読めないものは、聞き取れない」という原則でもあります。

 ニュースで話される記事が、読んで分からない状態のまま、いくら聞き続けたところで、聞き取れることはないからです。

 さらに言えば、わたしの経験では、いくら読めても、構文解読や単語につまっている段階では、まだ聞き取りはスムーズにはいかないと考えています。

 構文も意識に上らなくなるほど高速で読めるような回路が頭に形成される段階になって、初めて、聞き取れるようになるのだと、わたしは自身の経験から学びました。

 つまり、わたしにとって、目指すべき地点とは、まずは「速読」が出来るようになることなのです。



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 さて、これまで3年5ヶ月にわたるフランス語の独学において、わたしが、聞きとり対策に、さほど熱心でなかったのは、どこかに、「読めるようにならなければ、聞きとりはできない」という意識と同時に、「速く読めるようになれば、特に何もしなくても、自然に聞き取れるようになる」という自信があったからだと思います。

 しかし、そんなわたしも、最近、RFIのやさしいフランス語ニュースを継続的に聞き始めたり、あるいは、「拡聴力」を開始したりと、フランス語の聞きとり対策にも、本腰を入れるようになりました。

 それは、第一に、「フランス語名詞化辞典フランス語名詞化辞典」の例文暗記が進む中、読む方には、少しずつ手ごたえを感じ始めてきた、という事情があります。

 そろそろ聞きとりの練習を始めても効果が出てくるレベルに読解力が達しつつあるのではないかと、思い始めたのです。

 また、第二に、11月の仏検準1級に、1次試験だけでもいいから合格したい、という気持ちがムクムク沸いてきた、ということもあります。

 そのためには、今までのように、読めればいい、という甘い姿勢から脱却しなければなりません。

 今後は、読むスピードを上げていく、という従来の方向性に加えて、「聞きとり」と「書きとり」の訓練も、毎日のフランス語学習に、少しず組み込んでいくつもりです。

 まずは、その第一歩として、「拡聴力」を始めることにしました。


 カフェでフランス語



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