今朝、新聞受けから朝刊を取り出して、びっくりしました。
フランス語が、ばーんと目に飛び込んできたからです。
新聞冊子が丸ごと広告で包まれている、いわゆる「特別紙面」でした。
このような全面広告じたいは、時おりあることで、とくに珍しいことではありません。
しかし、今回、特筆すべきは、1面のど真ん中にあたる部分に、でかでかとフランス語が書かれていたのです。
それも、単語ではなく、ちゃんとした文章です。
フランス語の下に、日本語訳があるのも目に入りましたが、わたしは、すぐに、その日本語訳を手で隠すと、やおらフランス語の読解にとりかかりました。
" La nature vous donne votre visage de vingt ans.
La vie modèle votre visage de trente ans.
Mais le visage de cinquante ans, il vous revient de le mériter."

以下は、わたしの読み取りです。
なお、なるべく頭の働かせ方に近づけた書き方をしているので、訳語は、変です。
仏文和訳ではありませんので、あしからず。
まず、1文目。
La nature vous donne votre visage de vingt ans.
自然はあなたに与える。あなたの表情を。20歳の。
なるほど。これは、あっさり分かったぞ。

2文目に進みます。
La vie modèle votre visage de trente ans.
生活は形作る。あなたの表情を。30代の。
ふむふむ。これも分かったぞ。楽勝、楽勝。
この対句形式の流れなら、オチもだいたい想像できるぞ。

次は、ラスト3文目です。
Mais le visage de cinquante ans, il vous revient de le mériter.
しかし、表情は(50代の)、それはあなたに戻す。それが値するものから。
ん?

再読です。
Mais le visage de cinquante ans, il vous revient de le mériter.
il は形式主語などではなく、le visage でいいんだよな。
次の revient de が、いまいちピンと来ない。〜から戻る、でいいのかな。
問題は、次の le だ。これも、やはり、le visage を指すのでいいんだよな。
ということは、
le visage vous revient de (le visage) mériter.
表情は、あなたに戻す。表情に値するものから。
これで、いいのでしょうか?

ん?ちょっと待てよ。
ということは、「revenir de 名詞+不定詞」という構文があるということなのか?
ついに、わたしは、ここで電子辞書を開きました。
revenir を調べると、de 以下の構造がいちばん近いと思えたのが、次の例文でした。
Je reviens de le voir.
彼に会って来たところよ。
il vous revient de le mériter.
でも、上の2文を見比べても、どうもしっくりしません。
果たして、わたしの先ほどの読み取りは、合っているのでしょうか?
それとも、いつものように、大きなカン違いをしているのでしょうか?

さて、それでは、ここで正解を見てみましょう。
以下は、新聞に載っていた日本語訳です。
" La nature vous donne votre visage de vingt ans.
20歳の顔は自然に与えられたもの
La vie modèle votre visage de trente ans.
30歳の顔は生活が形づくるもの
Mais le visage de cinquante ans, il vous revient de le mériter."
50歳の顔は、あなたが手に入れるもの
(ガブリエル・シャネル)

ところで、これは、シャネルの新商品「サブリマージュ(SUBLIMAGE)」というエイジング・ケア化粧品の広告だったようです。
ご存知のように、ガブリエル・シャネルというのは、ココ・シャネルの愛称で知られる、シャネルの生みの親の名前です。
なお、SUBLIMAGE という商品名も、ついでに電子辞書で調べてみましたが、わたしの電子辞書には、載っていませんでした。造語なのでしょうか。
でも、 sub(下)という接頭語と、 limage(やすりがけ、刃物を研ぐこと)という言葉の組み合わせから、なんとなく言わんとすることは、分かります。
かつて、フレンチQ
それにしても、たった3行のフランス語に振り回されているようでは、わたしも、まだまだ、修行が足りないようです。
しかし、フランス語とたわむれる朝のささやかなひと時は、なかなか楽しいものでした。
ありがとう、シャネルくん。
シャネルのバックも香水も、うちには1つもないけれど。

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