仏検準1級の試験会場は、青山学院大学の12号館でした。
2階に上がり、後ろのドアから教室に入ると、すでに8割がたの座席は埋まっていました。
黒板に書かれた座席表を頼りに、自分の席を探しました。
教室内は、暖房と人いきれで、かなりの暑さでした。
辺りを見回すと、準1級のせいか、年齢層はやや高めで、全体的にぐっと落ち着いた雰囲気でした。
黒板の前では、若い試験監督たちが、4〜5人立ち働いていました。
黒板に書かれた受験番号から、この教室にいる受験生の総数は、140人であることが分かりました。

パリのカレンダー
仏検会場に着いて、こうして全体を見渡したとき、いつもわたしがしみじみ感じるのは、フランス語の勉強をしている人は、こんなに沢山いるんだな、という驚きです。
わたしは、ふだん、学校にも通わず独学でフランス語を勉強しているので、つい自分のフランス語を、人とは違う、ちょっと変わった趣味のように感じてしまいがちです。
そのため、仏検会場で、大量のフランス語学習者の群れを目の当たりにすると、現実と自分の認識のあいだの少なからぬギャップに、ちょっとしたとまどいを覚えるのです。
仏検を受けるのは、これで4度目ですが、そのたびに、同じ感覚に襲われます。

Little Prince カレンダー
そうこうするうち、わたしの頭の中で、ふと、ある疑問が生じました。
この教室の中から、いったいどれだけの人が合格するのだろう、という疑問です。
たしか、仏検準1級の合格率は、例年20%前後だったはずです。
わたしは、140人×0.2を計算してみました。
答えは、28人。
28人!?
ということは、合格するのは、あそこからここまでの28人だけで、残りの112人はぜんぶ不合格ということじゃないかと、目の前の教室で28人を具体的に想像して、愕然としました。
急に、仏検準1級に合格することの大変さを、肌身で感じたのです。
生半可な勉強では通用しない、と自然に背筋が伸びる思いでした。

パリのカレンダー
しばらくすると、これより問題冊子の配布を始めます、というアナウンスがありました。
大教室だったせいか、試験監督が一人ひとりに手渡しするのではなく、列の先頭に人数分の問題冊子を預け、あとは受験生自身が各自、自分の分を取ってから、後ろにリレーしていくという方式でした。
しかし、空席があった場合に、そこにも問題冊子を置くべきなのか、それとも、飛ばすべきなのかの指示がなかったため、後ろから見ていると、列によって置いたり置かなかったり、まちまちでした。
案の定、試験時間が近づくにつれ、あちらこちらで、問題がありません、という声が上がり、試験監督が対応に追われていました。
その後しばらくしてから、空調に関して苦情でもあったのでしょうか、教室が暑い方はいらっしゃいますか、という質問がありました。
多くの挙手があり、では、冷房がないので窓を開けます、というアナウンスがありました。
2年前に2級を受けたときもそうでしたが、青学の教室は、どうも空調が苦手なようです。

パリのカレンダー
わたしは、問題が配布されてから試験開始までの数分間を利用して、机に置いた腕時計の針を見ながら、解く順番と時間配分の確認をしました。
解く順番は、あらかじめ、8番→7番→6番→5番→4番→3番→2番→1番と、作文・読解から知識問題へと、順にさかのぼっていくことを決めていました。
こちらの記事の(3)でも触れたように、わたしには、この順番が一番しっくりくるのです。
時間配分については、大まかにいうと、作文・読解の4題に1時間、知識問題の4題に30分、というのを目安にしていました。
これは、読解問題を、1題15分で解いていくペースです。
開始時刻が14時50分という、なんとも中途半端な時間だったので、この15分ごとの配分は、ちょっとやりづらく感じました。
このようして、時計を見ながら、何度か時間配分をシミュレーションしているうちに、試験開始の合図がありました。

フランス語の日めくりカレンダー
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